つかんでぽんとは。---What is TSUKANDE PON?---
その土地土地によって多少のシステムの違いが見られるが、主に100円硬貨2枚を入れて遊戯し、ある一定の限界得点を越えることができれば
プラスチック状のカプセルに入った景品が投下されるという、いわゆる景品獲得ゲームである。
実態公開。---Pictures.---
これがつかんでぽんの外観である。150cmは越えるであろう大きなボディ。上部は透明な強化プラスチックで厳重に覆われ、その内部のゲームシステムにはいかなる不正も許されないよう注意が払われている。
下部は主にユーザーインターフェイスであると思われ、金属で完璧にガード。コイン鑑定や景品を確保し投下する能力を持つ。
そして頭脳となる「つかぽんメインコンピュータシステム」、通称"TMCS"が後部全面を絞める。
TMCS。---What is TMCS?---
ではTMCSとは何か。
「つかぽんメインコンピュータシステム(Tsukapon Main Computer System)」の略称で、その名のとおりこのゲームの頭脳である。
最大瞬間情報伝達速度は人間の36万倍にもなり、これによって人はストレスを感じることなく遊戯が可能となる。
仕事は主に得点カウントとそれの表示、タイムカウント、音楽コントロール、ユーザーインターフェイスへの司令などなどを行う。
ゲームシステム。---Game system.---
ゲームシステム。遊戯するに当たって最重要項目に位置し、ゲーム自体の生命の源である。
人がこれに模索し、これに感化し、そしてシンクロしていく時初めてゲームに命が吹き込まれるのだ。
して、このゲームのシステムとは。上記写真にある透明プラスチックボードに空いている四つの穴のどれかに腕を挿入し、
下から噴射される空気に乗って数々と浮上してくる軽量化されたビニールボールをキャッチし、
内部のパネルに見える子ブタの口に投入していく。これを60秒という短期間で50個以上子ブタの口に投入することが最終目的となる。
二人プレイ。---2P pray.---
懸命な方はお気づきであろうが、「つかんでVS対戦ぽん」と表記されているのがわかる。
このゲームはVSがノーマルスタイルである。そのための腕挿入口2段が2つ、子ブタも二匹。子ブタの胸ポケットの両脇には勝ち負けのランプ。
しかし、獲得得点での優劣は付くものの、クリア得点は二人の合計点で決まるため、事実上は協力プレイである。
矛盾点。---Why is VS?---
ではなぜVS対戦なのか。調査の結果、古来、日本ではゴロの良さで間違った外来語を使うケースが多々見受けられている。その影響力。
第一のケース「ゴロ(Goro)」。ファミリーコンピュータのソフト「スパイVSスパイ」。これを発声すると「スパイ&スパイ」となっていることに気が付いていない人が70%をも越える。
これは日本人が「スパイバーサススパイ」よりも「スパイアンドスパイ」のゴロの良さを選んだ結果だ。
最近では「VS」という言葉がメジャーになりすぎたため、二人でプレイすることに対して「VS」としてもゴロに違和感がない。
第二のケース「造語(Zougo)」。「バスのハイジャック」「プロ野球でトトカルチョ」「小鹿のバンビ」。つかんでぽんにもこのケースがぴったりと一致する。
「VS対戦」。日本語で矛盾する表現だ。「バスの飛行機ジャック」「プロ野球でサッカーくじ」「小鹿の小鹿」「対戦対戦」。
ゲームのマナー。---Game manners.---
つかんでぽんメンタルトレーニングサポートセンター教授、さいとうあつし氏による実際の遊戯の流れを紹介。
マナーがわからない初心者も安心してプレイできるよう、リサーチしあるので参考にしてほしい。
「まず、二人でやることがベストです。」
「硬貨投入後、中央部にあるスタートボタンの点滅。これをPUSHすることが遊戯開始の合図となります。」
「あとは浮き上がってきたビニールボールをうまくつかめたら、子ブタの口に投げ込んでやるだけです。」
「注意として、腕の挿入口が4つあるからと言って決して4人でやったりしてはいけません。また、プレイ終了後は速やかにビニールボールを返しましょう。決して外に持ち出してはなりません。」
上級攻略。---Senior capture.---
実際に上級者のプレイリサーチデータの公開。つかんでぽんメンタルトレーニングサポートセンター教授、さいとうあつし氏。
第一工程。「人選」。上級者にとって個人記録を目指すならパートナーは邪魔になるだけだ。一人の方がコンセントレーションを高めることができる。
しかし、一人でプレイするのは事のほか恥ずかしい。よって邪魔をしない相手なら誰でもよいであろう。
第二工程。「服装」。腕をより深く挿入するためになるべく軽装にすることがベスト。
第三工程。「ポジショニング」。子ブタの口をしっかりと目でとらえ、最良な角度で投げ込むことのできるポジションのキープ。
利き腕を使うことは当たり前であり、それを生かせるのは右利きなら向かって右(青)子ブタを狙う。腕の挿入口は上段。
下段だとボールキャッチは確実だが、それを投げ入れることが非常に難しい。上級者は取ったボールは確実に投入することが必要不可欠であることを知っている。
第四工程。「体格」。これは日頃のつかぽんに対するトレーニングが必要だ。
最良の体格としては、奥まで入り込めるよう長く、肩も挿入口に入るように細い腕、多くのボールをつかめるように手が大きいこと。
第五工程。「体勢」。腕は肩が挿入口に入るくらいなるべく深く、腰を落とし、首は腕を深く入れるために反対方向に曲げる。
しかし、子ブタの口を的確にとらえるために目線は常に子ブタだ。そしてここがポイント。手のひらはボールの吹き上がり口を完全にふさぐ形か、内部まで挿入させ待機させておく。
第六工程。「ゲームスタート」。あらかじめ硬貨を入れておき、体勢作りが終わってからスタートボタンを押す。小さな事だがかなり重要な項目である。開幕ダッシュには成功することだ。
第七工程。「ボールキャッチ」。最重要機密事項である。メーカーが望むのは吹き上がってきたボールを空中キャッチ。しかしこれでは得点は望めない。
そこで新たなキャッチングが開発されることとなる。「OTF=オンザフィールド(On The Field)」。ボールは落ちると転がって穴に吸い込まれる。
この転がっている力は重力という一定の力しか働いておらず、風と重力で不規則に動いている空中よりは遥かに動きのパターンが単純で読みやすい。この間にボールをキャッチしてしまおうという技術だ。
が、最近新たなキャッチングが開発され主流になりつつある。「NCLB=見えない玉(Nobody Can Look at a Ball)」。その名の通り一度もボールを見ることなく得点にしてしまうという画期的なものだ。
元々OTFはボールが落ちてくるのを待たなくてはいけなく、スタートダッシュに難点を抱えていた。
その際、最初は送風向から一気にボールがあふれだしてくる事を利用し、そこに手を突っ込み、手の中にボールが入り込むのを待つスタイルが当たり前であった。
それならいっそのこと、この方法で60秒とうしてみればいいのではないかと考えた結果、NCLBが生まれたのだ。
しかしNCLBには問題点がある。設置店によってボールの数が定まっておらず、極度に少ない店ではなかなか吹き上がってこないため1キャッチングに時間を要してしまうのだ。
こんな時は自分の目でボールの行方をしっかりととらえることができ、応用の利くOTFに切り替えることをお勧めする。
ちなみにさいとう氏の1キャッチングは平均3個。最高は5個である。これは自分の手のサイズを考え考慮してほしい。つかみすぎは投入時にボールを滑り落としまう事件の多発注意報だ。
第八工程。「スローイング」。キャッチしたボールを得点にするための最終過程だ。前述にもあるが、1キャッチでおよそ3個程度のボールを持つ。
そしてできるだけ子ブタの口元に腕を伸ばし、一つ一つ確実にリズミカルに投入させる。一つ一つである。ここであせってはいけないのだ。子ブタの口は小さく、奥行きがない。
せっかく掴んだボールを的から外したり、跳ね返って出てきてしまうようなことが一番の損失となる。時には慎重になることも必要である。
最高位得点。---Best score.---
今現在、正式に記録されているもので、つかんでぽんメンタルトレーニングサポートセンター教授さいとうあつし氏の個人記録58個(追風7m参考記録)が最高であるが、違法行為によるカンストなどもあるのが現状だ。
大会。---Mass meeting.---
名古屋市中川区中川コロナで一昨年大会が行われた。優勝商品がセガサターンという高価かつマグニフィセントなものでこの大会の華やかさをより一層高めていた。
この当時のさいとうあつし氏の個人記録は48。ダブルス(2P戦)ではパートナーと共に合計70を優に超す記録を出している。
しかし試合はダブルス合計得点53の名も知らぬチャレンジャーの優勝で幕を閉じた。ではなぜさいとう氏は優勝できなかったのか。
参加拒否。---Refusal participation.---
バイトが休めずやむなく欠場。以後、このつかぽん大会は二度と行われることがなかった。
まだ違法行為が堂々と行われていた時代である。
違法行為。---Illegality.---
スキだらけのゲームシステムを見越して、あまりにも悪徳な技法でつかんでぽんを遊戯する者が一部で現れる。
そのため、純粋なつかプロ(つかんでぽんで確実に景品を獲得するプロ)まで来店拒否を受けるという問題が発生。
店側とつかプロ側でのイザコザが続いていたが、先ほど最高裁で和解決議案が採択された。
和解内容はこう。被告(店)側は悪徳プレイ者、つかプロに対する一方的な来店拒否の撤回と厳重な警備体制の排除。しかし、難易度の表記をした上での行きすぎな難易度アップは認める。
原告(客)側は以下の項目に述べる規律を厳守し遊戯すること。
■いかなる場合にも以下の「つかぽん法」に触れる行為を行った場合は懲役2年、執行猶予6ヵ月の実刑とす。■
つかぽん法第一条第一項。ボールを外に排出する行為。
つかぽん法第一条第二項。また、排出したボールを次のゲームでパイプを通して一気に流し込むなどの行為。
つかぽん法第二条。プラスチックケース内への不純物投棄。
つかぽん法第三条。子ブタちゃんの口にボール以外の不純物を投入する行為や、いくら生きているからと言ってエサなどを与えてしまう行為。
つかぽん法第四条。世界陸上連盟で規制されている筋肉増強剤を使用してのプレイ。
つかぽん法第五条。プレイヤーへの冷たい眼差しや暴説行為。
つかぽん法第六条。著しく子供の夢を壊すような下品なプレイ。
つかぽん法第七条。子ブタちゃんのサンディとリルクルに対する暴言。
つかぽん法第八条。腕が抜けなくなる行為。
つかぽん法第九条。空気口に両手をあて、ゆっくり手を引きながら殺菌と乾燥をする行為。
つかんでぽんを追求するあまり平然と違法行為が行われてきたが、きっちりとした法律の制定によりこの問題は解消。
一時低迷していた国民のつかんでぽん支持率(オリコン調べ)も96%まで回復。
しかし、全国的に難易度が上がってしまうという悪い傾向にある今、以前の支持率までパーセンテージを回復させることは不可能と言われている。
景品。---Giveaway.---
10pの球形透明カプセルに入るくらいの小さな物が主流だ。
中には200円を投入して遊戯で勝利したにもかかわらず、出てきた景品は「ラーメン消しゴム」であったと言う実状も報告されている。しかもごていねいに50円と表記。
移植。---Consumer.---
ゲームに第二の命が吹き込まれる家庭用への移植。いわゆるコンシューマー化。実状、まったく見込みはない。
続編。---Continuation.---
実状、まったく見込みはない。橋龍バージョン発売の噂も完全に消滅。
傾向。---Trend.---
2〜3年は衰退する危険性はない。
当機関では厳密な調査事実を元に過大なる脚色を含んで調査内容を公開している。
あくまで責任者の主観で調査、判断されたものであり、事実に反する内容を随所に含んでいる可能性を秘めることは言うまでもない。
多面においてフィクションであることを認識して頂きたい。 ---NEXT司令--- ???????をリサーチせよ。 |